結論
- CWEBはKWEBの2倍レバレッジ商品であるが、2倍以上に減価しているように見える
- 特に日次の急落があった際は減価が激しく見える。逆に急騰が連発すると減価幅が縮むように見える。
- 直近2022年3月のCWEB(KWEB)のボラティリティは直近1年と比較しても2倍程度であり異常。結果としてKWEB約10%下落に対し、CWEB約30%下落している。
- レンジ相場的な取引でCWEBで儲けようとする場合、CWEBのレンジで見るのではなくKWEBのレンジで見るのが妥当と考えられる。CWEBが元の価格に戻っていても、元のKWEB(つまりアリババやテンセント)の価格は元に戻っていない可能性がある。
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CWEBとKWEB
CWEBとは
中国のインターネット関連株の2倍レバレッジ‘ETFです。
正式名称:DirexionデイリーCSI中国インターネット指数株・ブル2倍ETF
2020年のコロナ明けから2021年2月のアメリカテック株大暴騰と、中国企業の成長もあいまって大暴騰し人気を博しました。
KWEBとは
実はCWEBの兄弟のKWEBというETFがあります。
正式名称:KraneSharesCSI中国インターネットETF
こちらはCSI中国インターネット指数に連動するETFです。
つまり、KWEBの2倍レバレッジ商品がCWEBですね。
CWEB・KWEBの構成銘柄
構成銘柄はこんな感じ。アリババ、テンセント、バイドゥ辺りはご存知の方も多いのではないえしょうか。
出典:KraneShares CSI China Internet ETF | KWEB
CWEB・KWEBのここ数年のチャートと概要データ
CWEBはコロナ後に10倍程度値上がりした後、20分の1程度まで値下がりしています。
CWEBとKWEBのその他データ
経費率 (信託報酬) |
52週安値 | 52週高値 | |
---|---|---|---|
CWEB | 1.30 | 3.55 | 60.02 |
KWEB | 0.73 | 20.41 | 79.16 |
CWEBとKWEBの比較と減価
さて本題に移ります。CWEBとKWEBの過去データを紐解くことで、2倍レバレッジETFのCWEBはどの程度減価しているのか検証したいと思います。なお、上記にあるとおり、レバレッジによる減価分だけではなく信託報酬による低減もある点はご了承ください。
データはNASDAQが提供しているデータを借用しました。
でいざデータを紐解こうと思ったのですが、結局減価とは何か。それを示すのが非常に難しい。。。色々考えて2つの観点で評価しました。
月次騰落率による分析
月次で見た場合、2倍という数字に対してCWEBが上回っているのか下回っているのか。2倍より下であれば減価(低下)しており、2倍より上であれば逆にお得という考えで評価して見ました。
結果として、多くの局面において2倍よりは低下していることがわかりました。
特に2021年以降のヨコヨコ、下落局面では厳しいようです。
またコメント列で注記していますが、2倍に対して異常な倍率となっている月に着目しました。暴落した日があった月は大きく減価する傾向があるように見えます。一方で、暴騰した日があった月は2倍より得をする可能性もあるように見えます。
また直近2022年3月のボラティリティの異常さがKWEBの期間中日次騰落率の標準偏差で見て取れます。結果として、他の月と比べてCWEBは異常な減価を見せています。
KWEBが同じ価格に戻った時、CWEBは同じ価格に戻るのか。
過去に値下がりからの戻り局面が少ないので比較しにくいですが
以下の矢印部分で見てみましょう。
所感
はい。結局、1倍商品のKWEBが元に戻るケースでは、CWEBは元に戻らず減価するように見えます。レバレッジ商品は右肩上がりの時に有効と言えるでしょう。
翻って、良く「CWEBが6ドルになったらそろそろ上がりそうだから買いだ」などという話を耳にしますが、レンジや価格の戻しで考える場合、レバレッジ商品の価格で考えないほうが良いと考えられます。
元の株価の適正価格はあくまでKWEB(さらにはアリババやテンセント)の価格の方ですから、もしレンジで取引を試みるのであれば、「KWEBがこのレジスタンスラインに来たから戻るだろう、よしそこでレバレッジ商品をCWEBを買おう」とこういう考え方が必要と思われます。
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