みなさんこんばんは。
昨日4/15はニューヨーク連銀製造業景気指数発表されましたので
その指数について勉強したいと思います。
ニューヨーク連銀製造業景気指数とは
米国の12の地区連銀の一つ、ニューヨーク連銀が発表する、ニューヨーク州の製造業における景況感を示したもの。比較的新しい統計で、最初の発表は2002年4月、データは2001年7月までさかのぼれる。 毎月1日に、ニューヨーク州の約200の製造業の経営者に、仕入価格・販売価格・新規受注・出荷・雇用者数などの各項目について、前月との比較、及び6カ月後の予想を、「増加(または好転)」、「変わらず」、「減少(または悪化)」から選択してもらい、「増加(または好転)」と「減少(または悪化)」の差を指数化したもの。「0」が景況判断の分岐点となっている。フィラデルフィア連銀景況指数の先行指標としても注目度は高い。
引用:
ニューヨーク連銀製造業景気指数 | 経済カレンダー用語辞典 | マーケット情報 | 楽天証券
0以上だと景気よし、0以下だと景気悪しという指標とのこと。データが2001年からしかないのは残念ですね。過去からのロングスパンでの傾向分析はできません。
4/15発表の速報値とここ数年の値
yahooさんのデータを拝借します。
日本のyahooFinanceさんのグラフいつもグラフ右上の凡例が邪魔ですね笑
何とかしてくれないかな。
引用:
【米国】ニューヨーク連銀製造業景気指数 - 経済指標 - Yahoo!ファイナンス
日本のyahoofinanceデータの考察
- 直近は2020年の2月~4月のコロナショックによるリセッション時期以外は、指標からみるとずっと景気が良好ということが見て取れる。
- 今年に入ってから予想値が4ヶ月連続で下がり続けている。
- 前回の2022年3月発表(2月分)は-11.8とマイナスである。
なんでこんなに急に上がるんですかね。調べてないので分かりませんが、
コロナ(オミクロン)があけた、戦争特需、1Q期末の駆け込みなどが考えられるでしょうか。
これだけだとちょっと内容どうなっているのか気になるので
ニューヨーク連銀の元データ・レポートも確認してみます。
以下で公表されています。
以下はニューヨーク連銀のレポートの生グラフです。
これは製造業の経営者に対するアンケート調査に基づく指標値ですが、Current(現在の景況感)とExpected(6ケ月後の見通しとしての景況感)の2種類があるという事が分かります。将来予測はさがっていますね。
ニューヨーク連銀のレポートをそのまま翻訳します。ご参考まで。
2022年4月のエンパイア・ステート・マニュファクチャリング・サーベイに回答した企業によると、ニューヨーク州の景気は著しく回復した。業況判断指数 (DI) は、36ポイント高の24.6となった。新規受注・出荷が好調に推移し、受注残が増加しました。納期はここ数ヶ月より遅いペースではあったが伸び、在庫は増加した。労働市場の指標は、雇用と週平均労働時間のわずかな増加を示した。支払物価指数は過去最高を記録し、受取物価指数は引き続き上昇した。設備投資と技術投資の計画は堅実だった。企業は6カ月後の見通しについて、ここ数カ月と比べてかなり楽観的ではなかった。
4月の調査によると、ニューヨーク州の製造業の活動は3カ月停滞した後、大幅に回復した。業況判断指数は36ポイント高の24.6となった。回答者の40%が、この1カ月で病状は改善したと回答し、15%が悪化したと回答した。新規受注指数は36ポイント上昇の25.1、出荷指数は42ポイント上昇の34.5となり、受注と出荷がともに減少した後、堅調に回復したことを示した。受注残指数は17.3だった。配達時間指数は11ポイント低下の21.8と、配達時間の継続的な増加を示し、在庫は小幅に増加した。
就業者数は前月比七ポイント減の7.3ポイント、週間平均労働時間は10.0ポイントで、雇用水準と週間平均労働時間は小幅上昇した。支払物価指数は13ポイント上昇して過去最高の86.4となり、受取物価指数は前月の過去最高から7ポイント下落し、投入物価、販売物価ともに大幅な上昇が続いている。
6ヶ月後の見通しに対する楽観的見方が目立って後退した。業況判断指数は21ポイント安の15.2と、パンデミック初期以来の低水準となった。より長い納期、より高い価格、雇用の増加は、いずれも今後数カ月で予想され、設備投資計画は引き続き堅調であった。
指数の元となる数値毎の値やグラフも見ることができます。
以下でPDFのレポートが読めます。
https://www.newyorkfed.org/medialibrary/media/survey/empire/empire2022/esms_2022_04.pdf?la=en
1ページ目Current上から
- 景気指数 General Business Conditions
- 新規受注 New Orders
- 出荷 Shipment
- 受注残 Unfilled Orders
- 配達時間 Delivery Time
- 在庫 Inventories
2ページ目Current上から
仕入価格 Prices Paid
販売価格 Prices Recieved
雇用者数 Number of Employee
週平均就業時間 Average Employee Workweek
3ページ目Expected
4ページ目Expected 2ページ目
下2つはCurrentにない項目ですが、
設備投資 CapitalExpenditure
テクノロジーの設備投資 Technology Spending でしょうか。
ニューヨーク連銀の元データ・レポートの考察
- 1月、2月はオミクロン株で受注も出荷も止まっていたのが回復したようである。
- この大幅な伸びに戦争も寄与しているのか気になるところ(分からない
- 受注、出荷の将来予測は経営者の中では悪い。
- 受注、出荷が落ち込んでいるが、インフレの影響で仕入価格・販売価格の見通しは高い。それが景気数値を押し上げてるくさい。
パットみこのぐらいしか分かりませんが、中までみると色々見えてきていて面白いですね。これを見る限り、半年後ぐらいに景気横ばい、1年後にリセッションが基本路線なのでしょうか。
S&P500指数とニューヨーク連銀製造業景気指数の対比
S&P500指数(赤線)とニューヨーク連銀製造業景気指数Current(青線)、Expected(赤線)を比較してみました。
- さすが景気指数というだけあって、株安やリセッションと非常に連動しているように見える。
- 10ポイントを下回るとリセッション級に相当やばいとみて取れる。
- 0ポイントを下回った場合も割と株安に影響していそうに見える。
- あと基本的にExpectedがCurrentより高いんですがなんですかこれはww
- 赤線が青線に先行することはないのか?基本的にアメリカの経営者は楽観主義者でないと務まらないということか。逆に言うと、将来見通しが甘い。
まとめ
中身もみてみると色々考察が浮かんできて面白いですね。
- アメリカは1月2月のオミクロン株による景気悪化を受注や出荷の面で一時的には打開したように見える。
- インフレの影響で仕入価格・販売価格が上がっておりそれが景況指数をあげている?可能性もありそうである。
- 経営者による今後6ヶ月の見通しは、パンデミック初期以来の低水準となっている。それでもまだ横ばい程度に見える。したがって、リセッションはさすがに今後半年以内には起こらず、早くて1年後ぐらいのように見える。
- リセッションが来なければアメリカ株の上昇は続くとは一概にはならないため、そこはご注意ください。
来週木曜日2022年4月21日 21:30には、フィラデルフィア連銀製造業景気指数というものが出るようなのでまた検証してみたいと思います。
引用【米国】フィラデルフィア連銀製造業景気指数 - 経済指標 - Yahoo!ファイナンス
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