皆さまこんにちは
ここのところ、アメリカは長期金利上昇、政策金利上げ、逆イールドということで景気後退やリセッションが噂されていますね。
そこで本記事では景気に関する指標と株価がどういう変遷を辿るのかグラフ化して確認してみたいと思います。
目的
- リセッションや株安の前兆をマクロでつかむこと
- 主要な経済指標間の関係性などをつかむこと
アメリカのリセッションの定義と過去記録については前に以下の記事で説明しました。
millionare-fire.hatenablog.com
今回確認するデータ
以下の8つのデータを比べてみたいと思います。
それぞれの数値の内容について簡単に紹介したのち、グラフ化して確認することとします。
指標についてある程度ご存知の方はグラフの確認のところまで飛ばしてください。
- 米住宅価格指数 (S&P/Case-Shiller U.S. National Home Price Index )
- 消費者物価指数 (CPI)
- 失業率 (unemployment rate)
- 政策金利 (federal funds rate)
- 米国10年債金利(US10Y)
- 株価 (S&P 500)
- 住宅着工件数
- 住宅建設許可件数
1. 米住宅価格指数 (S&P/Case-Shiller U.S. National Home Price Index )
住宅価格を表す指数。
米国の住宅価格の水準を示す指数で、正式名称は「S&P CoreLogic Case-Shiller Home Price Indices(S&Pコア・ロジック・ケース・シラー住宅価格指数)」。全米の主要都市圏の一戸建て再販価格を集計し、2000年1月を100として指数を算出。毎月最終火曜日の朝9時(米東部時間)に 米S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズが公表する。
住宅価格は個人消費動向に大きな影響を与えることから、米国の景気指標の一つとして注目されている。もともとはカール・ケース、ロバート・シラーの2人の教授が開発、その後ファイサーブ社が算出することとなった。
引用:https://www.nomura.co.jp/terms/japan/e/csi.html
直近は3月29日に2022年1月分のデータが公表されています。
住宅価格指数は、消費者物価指数CPIにおおよそ1年後に反映されると言われています。買ってから家賃に反映されるのに時間がかかるからですね。
2.消費者物価指数 (USCPI)
物価を表す指数。原油、家賃、中古車価格等々いろいろなものの価格から総合的に計算される。
いまアメリカがすごいインフレ率になっていて、この指数を毎月みんなびくびくして待っていますね。
米国国内の物価の上昇・下降などの変動を表す経済指数で、「CPI(Consumer Price Index)」とも呼ばれ、米労働省が毎月中旬に公表しています。衣料や食料品など約200項目の品目の価格の変化を調査して指数化したもので、米国国民の生活水準を示す指標のひとつです。
消費者が購入するモノやサービスなどの物価の動きを把握するための指標で、インフレ率を分析するための最重要指標として、市場関係者からも注目されています。なお、消費者物価指数の中から、変動の激しいエネルギー関連数値や食料品目を取り除いたものを「消費者物価指数コア」といいます。
一般的に、生産者物価指数(PPI)が売り手側の価格を表すのに対し、消費者物価指数(CPI)は買い手側の価格を表します。引用:https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/he/J0866.html#:~:text=アメリカ国内の物価の,示す指標のひとつです。
3.失業率
米労働省労働統計局が発表する統計の事で、失業者を労働力人口(失業者と就業者の合計)で割ったものです。約6万の世帯が調査対象となっているそうです。
4.政策金利
FF金利とは、フェデラル・ファンド(Federal Funds)レートのことです。フェデラル・ファンドとは、米国の銀行が連邦中央銀行に預けている無利息の準備預金です。米国では銀行間で日々このファンドの過不足を調整し合っており、そのときの金利を指します。
5.米国10年債金利(US10Y)
10年後に満期が来て現金化できるタイプの国債です。ニュースなどで耳にするアメリカの「長期金利」は、この米国債10年の利回りが指標(ベンチマーク)となっており、ローンや1年以上の定期預金の金利に、影響を及ぼすと言われます。
6. 株価 SP500
みんな大好き S&P500です。
S&P500(S&P500種指数)とは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLCが公表している株価指数です。市場規模、流動性、業種等を勘案して選ばれたニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場および登録されている約500銘柄を時価総額で加重平均し指数化したものです。
7. 住宅着工件数
米商務省センサス局が米国内で一月に建設された新築住宅戸数を調査して発表する指標。住宅建設は季節ごとのばらつきが大きいため、調整をかけたうえで年率換算して発表される。一戸建てと集合住宅に分けて、北東部、中西部、南部、西部の地区ごとに集計される。
同時に発表される住宅建設許可件数は、建設にあたって地方自治体への許可申請が必要な地域における許可発行件数を調査したもの。実際の着工に先駆けて許可申請が実施されるため、住宅着工件数の先行指標となる。
住宅の購入に伴って、家具・家電などの耐久消費財の購入が行われることが多く、個人消費への波及効果が大きいことから注目されている。
雇用市場の動向や、消費者の景気への信頼感などとの相関がみられる。
計測期間の翌月第3週に発表される。
米国夏時間:日本時間午後9時半、冬時間:日本時間午後10時半の発表。
8. 住宅建設許可件数
上記のとおり。
データの取得元
アメリカの連銀のFREDから情報を入手してきました。
なお、ケースシスラー住宅価格指数は1987年以降のデータしかなかっため、1987年以降で揃えています。もう少し過去から見たいですね。
それではいろいろと実験してみたいと思います。
1. 住宅価格と 2. US CPI
通常のインフレがききすぎていて、この時間軸でみると見づらいですね。
2007年の所は綺麗に見えますね。住宅価格がピークを迎えその後、リセッションとともに下がってゆく。
今回住宅価格の伸びが急上昇しているので、2007年と近い事が今後起こりうるかもしれません。
またCPIは確かに住宅価格から少し遅れて伸びているようにも見えます。(複合要因なのでひとつだけではないですが。
1. 住宅価格と 6. S&P500
なんだかよく分からんですね。
ただ、住宅のバブルっぷりは今回株の急激な上げの影響も受けてそうですね。
それでもやっぱり2007年を引き合いに出したくなるバブルっぷりですねぇ
やっぱり今回の株のあげ方が異常でそりゃあ株でもうけた分高くても家買うよねってなりますよね。しかもゼロ金利で金も借り放題だと。
1. 住宅価格と 4.政策金利
普通、景気が勢いを完全に上げる前に金利をあげるはずなのに、今回のハチャメチャっぷりが見えますね。
1. 住宅価格と 5.米国10年債金利
関係見えづらいですね。
2007年の時は住宅バブル崩壊前に長期金利が1.5%ぐらいあがってますね。
今回も同じぐらい既に上がってしまっているのがそれがどうでるか。
1. CPI÷6. S&P500
え?アメリカ人裕福過ぎてインフレになっても何も困ってないんじゃないですか?
なんじゃこりゃww
2.消費者物価指数 (CPI)と3.失業率
失業率はめっちゃみやすいですね。失業率が上がる期間はリセッション期間そのものですね。
CPIの方は、通常の2%のインフレ率で上がっていくので長期でみるとほんと見づらいですね。
3.失業率と6.S&P500
これはめちゃくちゃ見やすい。
株が下がる期間と、失業率が上がる期間がほぼ同じに見えます。
なのでこの失業率の先行指標を見つけないとだめなんですね。
3.失業率と 7. 住宅着工件数
住宅着工件数はリセッションに先行してそうですね。こうみると。
6. S&P500と 7. 住宅着工件数
これも非常に良いですね。住宅着工件数は株下げの先行指標として相当使えそう。
6. S&P500と7. 住宅着工件数と8.住宅建設許可件数
これもかなりいいですね。
住宅建設許可件数→住宅着工件数→S&P500と言えそう。
結論 住宅建設許可件数は要チェック!!
直近数年の住宅建設許可件数は以下。
yahooさんから直近のデータを拝借しました。
引用:https://info.finance.yahoo.co.jp/fx/marketcalendar/detail/9282
今、長期金利上げ(住宅ローン金利の値上がり)で住宅が売れなくなってきたり、それに伴って売れないから価格が安くなったりということを耳にします。
1月から2月は下がっています。この後3月分、4月分データに注目ですね。これが170台とか160台になるとおおっ!!て感じですかね。資源高騰とか金利急上昇の煽り受けてこんなんなったりするかしないかはわかりません。予想は183のようですね。
4/19(火) 21:30の発表を楽しみにしましょう。
直近のアメリカの住宅ローン金利の推移
追加で気になったので、アメリカの住宅ローン金利の推移を見てみましょう。
昨年来3%ぐらいであったものが今年になって5%まで上がっています。
30年金利3%が5%に変わると住宅価格の支払い総額にどう影響するか。
ネット上の情報を使って計算してみます。
【イー・ローン】住宅ローンのかんたん返済額シミュレーション|住宅ローンの検索・比較・申込みならイー・ローン
5000万円の家を買う場合、3%と5%で総支払額が2000万円も違います。さらに今これが上がり続けている状況です。
さらにさらに、QT(量的引き締め)でFRBは、不動産ローン担保証券(MBS)を売ろうとしています。証券が売られると金利の上昇圧力も高まるのではないでしょうか。
最後に
こうやって、しっかりと指標の意味をしっかり理解したうえで、数値をみたり確認する、そしてその発表を待つってすごく重要だと思ってます。
P.S.
しかしこういう相関分析って今の時代、もうAIの機械学習に任せた方がよいですよね。
データだけ与えたら関係を勝手に分析してくれますよね。
だれかアメリカでやってないんですかねぇ。いい情報あったら教えてください。
また、他にもこういう面白い景気指標があるよという方がいらしたら教えてください。
下の本まだ読んでないんですが読みたいんですよね。
本記事の前記事です
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